2023年2月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28        
無料ブログはココログ

カテゴリー「多事争論」の28件の記事

朝日新聞さんの記事と田原総一朗さんのインタビュー

著名なジャーナリストでもある田原総一朗さんが、BLOGOSにてこんな記事を投稿していました。

「朝日叩き」が安易な「ナショナリズム」につながるのは気持ち悪い~田原総一朗インタビュー

戦時中の「慰安婦」をめぐる報道について、朝日新聞が「記事の一部に虚偽があった」という検証記事を掲載したことを受け、雑誌やネットでは、激しい朝日新聞批判が起きている(関連記事)。この問題について、田原総一朗さんはどう考えているのか。【亀松太郎、大谷広太(編集部)】

続きはこちら

このタイトルにある「「朝日叩き」が安易な「ナショナリズム」につながるのは気持ち悪い」という言葉には同意します。最近の日本の論調は、攘夷の世の中に戻ったのか?と思うくらい、右側は中韓あたりを、左側はアメリカを中心にナショナリズムと言うより一種の排外主義を感じます。

しかし、書いている内容で自分が大変違和感を感じる部分がありました。それが、

『戦前の日本はナショナリズム一色で、「欧米列強に侵略されたアジアの国々に代わって、日本はアメリカやイギリスやオランダやソ連と戦うのだ」と信じていた。』

という部分です。田原さんは自分の番組に出てくる政治家に「自分の本を読んでいないの?勉強不足だ!」とおっしゃっていた方だからまさかご存知無いとは思いませんが、大正デモクラシー~宇垣軍縮(大正末~昭和初期)の頃は軍人は寧ろ肩身が狭く、マスコミも対外強硬姿勢を戒める論調が多かったです。

よくこういった物言いを現在80歳前後の方がされる印象がありますが、彼らはちょうど少国民として戦時中の日本を過ごしているわけで、正確に言えば

『戦前の日本はナショナリズム一色で、「欧米列強に侵略されたアジアの国々に代わって、日本はアメリカやイギリスやオランダやソ連と戦うのだ」と』と子供達は信じ込まされていた。

だと思います。その時にそう思ったのは事実だと思いますが、その時の大人たちはそんなことを信じていたわけではないでしょう。大体、ソ連は8月9日まで和平の仲介を頼んでいた中立条約の相手国ですし・・・。

その上で今警鐘を鳴らすべきは、自国優位を唱えるナショナリズムでは無く、国際的にも言論界的(自分の意見以外は認めない)にもある排外主義だと思います。人は自分と違うことを認めた上で、自らのアイデンティティを保ち、お互いに触れ合い、接点を見つけながら友好関係を作り上げることが重要です。結局こういった文化を持ち得なかったところから、恐慌→満州地域で起こる不穏な事件を契機に軍部の独走と国民の支持が生まれていきました。軍に、国に騙されたわけではありません。空気のせいとも言えますが、国民がこの流れを支持したからこそ、あのような結末に至るまで突っ走ってしまったわけです。これはドイツにも同じことが言えると思います。

しかるに今は外国人や外国企業を排するような意見、お互い相手にレッテルを貼り、全く議論の接点を見つけようとしない言論界の空気が見える。これが問題だと思うのです。これでは論旨は別にして、戦前と大して変わりません。何にしろ多様性は大事です。

自分は、今の朝日新聞さんに自分は大変批判的ですが、それはリベラルな姿勢では無く、自分の行動に責任を持とうとしない、他人の行動は批判する、他人の批判は受け付けないという姿勢が、日本のマスコミ・言論界をダメにすると思うからです。叩き潰されて欲しいとは思っていませんが、どこかで自分たち自身のことをもっと省みて欲しいとは思っています。

今度は台湾に注意!

私は日韓関係のターニングポイントは日韓軍事情報保護協定が調印の50分前に韓国側からキャンセルしてきた時だと感じています。

それはもちろん韓国内の世論というものもあったでしょうが、一番あり得そうなのは中国からの強い要望では無いかと思っていました。そしてその後の中国の日韓離間策というのは、さすが発祥の国だけあって、大変順調に推移しました。

実はそんなことを2012年のドタキャンから1ヶ月も経たない時、まだ朴槿恵さんが大統領になる前に、日経ビジネスにこんな記事が掲載されていました。2年後の世界から見れば、大変首肯できる内容です。こういった先を見通した文章を事前に書いている人を自分は信用します。長文ですが、ご覧下さい。


中国に「日本と軍事協定を結ぶな」と脅される韓国
朝鮮半島で、いま米中の“激突”が始まった
2012年7月10日(火)

from 日経ビジネスオンライン

 「日本と軍事協定を結ぶな」と中国が韓国を脅す。だが、この協定は米国の強い意向を受けたものだ。果たして米中どちらの言うことを聞くべきか――韓国は板挟みだ。

米国主導で“陣構え”

 中国が韓国に結ぶなと要求している協定は日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA、通称「情報保護協定」)。

 日韓両国政府の公式見解は「この協定で第3国への情報の流出に歯止めをかける。それにより両国間の安全保障に関する情報交流を増やす」。両当局ともに「交換するのは主に、3代目が継いで不安定化する北朝鮮の情報」と説明している。

 韓国人の反米感情をかきたてることを恐れてだろう、米韓両国政府は「米国主導」を否定する。しかし、韓国各紙は「数年前から米国はこの軍事協定を結ぶよう強く求めていた。最終的には今年6月にワシントンで開いた外務・国防閣僚会合(2プラス2)で米国が韓国に受け入れさせた」(朝鮮日報6月29日付)と報じている。

 日本の安全保障専門家も「膨張志向を露わにする中国に備え『米日韓』3国で“陣構え”を整えるのが目的」と解説、米国主導をはっきりと認める。ただ「当面はあくまで“構え”に過ぎず、情報交流が急増することはない」と見る。

 別の専門家も「米国や日本から得た軍事情報を韓国軍は中国人民解放軍にこっそり伝えてきた。日米の防衛当局は韓国を信用していない」と指摘したうえで「この協定を結んだからといって直ちに日本が微妙な情報を韓国に与えることにはならないし、米国もそれを望まない」と言う。

「3国軍事同盟」昇格を恐れる中国

 それでも中国は韓国を脅した。この協定がいずれは「米日韓3国軍事同盟」に昇格しないかと恐れてのことだ。

 「韓国に影響を及ぼせる手段を中国は数多く持つ。李明博政権による中国に対する非友好的な動きを、韓国の内側から止められない場合、中国はそれらの手段を使って自らの立場を明らかにせねばならない」――。

 7月3日付環球時報の社説「米日が中国に圧迫を加えるのを韓国は助けるな」の一節だ。「中国への圧迫」とは「対中包囲網」を意味する。「中国に対する非友好的な動き」とは日韓軍事協定を指す。大国が小国に対し力を見せつけて自分の思い通りに操る際の典型的な恫喝だ。

 同紙は人民日報の姉妹紙で中国共産党の本音を表明する。“対外威嚇用”メディアでもある。3日付では第1面全面も使ってこの協定を扱い、韓国を徹底的に脅した。1面の見出しは「韓日軍事協定が蜂の巣をつつき、中国を刺激した」である。

 この社説は「韓国に影響を及ぼせる手段」に関しはっきりとは示さなかった。しかし「韓中貿易は米韓、韓日貿易の合計よりも大きい」と書き、経済面での報復を匂わせた。実際、香港を含む中国への輸出は韓国の総輸出の約30%に達し、断トツの1位だ。

一転、「日韓協定」反対に傾く保守系紙

 中国は相手国に言うことをきかせるためなら、大人げない嫌がらせを堂々とする国だ。日本へのレアアース輸出禁止もそうだし、今も南シナ海で領有権を争うフィリピンのバナナの検疫を強化し、輸入を事実上禁止している。中国にとってへ理屈をつけての韓国製品の輸入禁止など朝飯前だろう。

 軍事、外交面でも、韓国を圧迫する「数多くの手段」を中国は持つ。ソウルの表玄関でもある黄海で、強大化した中国海軍が大演習し威嚇すれば、規模が小さく訓練も不十分な韓国海軍は手も足も出ない。中国が北朝鮮へのコントロールを緩めれば、北の韓国へのテロ攻撃が一気に増える可能性が高い。

 興味深いのは、中国は日本に対しては「韓国と軍事協定を結ぶな」と言わないことだ。それは日本人を怒らせ「中国がやめろというなら絶対にやる」との合意が生まれると読んだためと思われる。裏返せば、韓国人は脅せば効果があると考えているのだ。

 実際、効果はすぐに出た。当初は日韓軍事協定に賛成し「感情論を抑え日本と協力しよう」と国民に理解を求めていた韓国の保守系各紙が、環球時報の威嚇の後、一斉に否定的トーンに転じたのだ。

 7月6日付中央日報の社説「軍事大国化を急ぐ日本」は「日本が集団的自衛権を持って自衛隊を国防軍に再編する可能性が出てきた。原子力基本法の改正で核武装にも道を開いた。日本は軍事大国化を急いでいる。これは韓国にとってもアジア各国にとっても悪夢だ」と主張した。

「反日」より「恐中」で動く韓国

 注目すべきは、この社説が「軍事大国化した日本が中国との対立を激化させ域内の緊張を高める可能性が高い。両国に挟まれた韓国は安全保障上の負担を増す」と日中対立に言及、そのうえで「『情報保護協定』騒ぎで見られたように、韓日間の円滑で正常な協力関係は難しくなる」と日韓軍事協定に否定的な姿勢を打ち出したことだ。

 同日付け朝鮮日報社説「日本、再解釈で“平和憲法”無力化の地ならし」も同じ論理で日本の軍事大国化に警鐘を鳴らした。そして「我が政府は日本の実情を知らないため情報保護協定を密かに推し進めた。今後、国民は政府の外交・安保政策を監視せねばならない」と、やはりこの協定を問題視し始めた。

 余りに過敏としても韓国人が日本の軍事大国化を懸念するのは分からないでもない。だが、それを日韓の情報保護協定の締結に否定的に結び付ける論理は相当に苦しい。

 韓国紙の社説をじっくり読むと「これから軍事大国化しかねない日本」への反発よりも「すでに軍事大国化した中国」への恐怖から「協定棚上げ」に軌道修正し始めた本音が透けて見える。

朴槿惠氏の突然の変心

 環球時報が外国を威嚇するような場合、前後してその国の要人――政治家やメディア幹部に対して中国の密使が「説得」に出向くことが多い。

 日本の政治家の中にも中国の“ご進講”を受けて立場を急に変える人がいる。日韓軍事協定に関しても中国は韓国に密使を放った可能性がある。

 注目されるのが、与党セヌリ党の最高実力者で次期大統領の呼び声が高い朴槿惠氏の突然の変心だ。同協定は6月26日の閣議で了承された。6月29日には東京で署名されるはずだった。

 しかし、賛成派と見られた彼女が「国会への説明が不十分」という理由を突然に掲げ反対に転じたため、署名1時間前に韓国側がキャンセルすると言うハプニングを呼び、協定は今も宙に浮いたままだ。朴槿惠氏の周辺は「次期政権で結論を出すべき」と先送りを主張している。

 朴槿惠氏の変心には韓国メディアも首を傾げる。確かに、国民感情を揺らしかねない日本との軍事協定というのに政府による国民への説明は不十分だった。反対しなければ大統領選で彼女自身が“親日派”との攻撃を受ける恐れもあった。だが、いずれも前から分かっていた話だ。

「米国ではなく中国が韓国を守る」

 環球時報の社説(前掲)も「李明博政権の非友好的な動きを、韓国の内側から止めろ」と呼びかけている。やはり、最有力大統領候補に対し中国からの“強い説得”があったのかもしれない。中国は以下のように語ればよい。

 「米国は中国の台頭を抑えようとしています。中国はこれを認めません。いずれ中国と米・日の間で軍事的衝突が起きます。その際、『準』の水準だろうと『米日韓3国同盟』に加わっていれば、中国にもっとも近いあなたの国土や領海が戦場にされるでしょう。それでもいいのですか?」

 これに対し韓国は「しかし、北朝鮮の脅威から守ってくれている米国が、日本との軍事協定を結べと言って来たのです。断れば守ってくれなくなるかもしれません」と反論するだろう。すると中国はこう、決め球を投げるに違いない。

 「北朝鮮の攻撃からは私が守ってあげます。あなたが日韓軍事協定を結ばなければ、北を後ろから羽交い絞めにすると約束します。我々の経済援助でかろうじて生き残っている北は、我々の意に反して本格的な戦争はできません。さらに韓国が米国との同盟を打ち切れば、北よりも南を大事にします」。

 もちろん、これは想像上の会話だ。しかし、来年から韓国を率いようとする政治家が中国からこう言われたら、よほどの親米派でない限り心を揺らすはずだ。環球時報の品のよくない威嚇ではなく、「中国のバックアップ」という“アメ”付きなのだ。

米韓同盟の矛盾が露呈

 「韓国の指導者が、安全保障面で米国よりも中国を頼りにするだろうか」と疑問に思う読者も多いだろう。だが、米韓同盟の本質的な矛盾がついに露呈し始めたことを知れば納得できるはずだ。

 韓国の主要敵は北朝鮮だ。その暴発を止める役割を、中国に期待する心情が韓国には育った。中国は韓国にとって旧宗主国であり、経済的にはもっとも近い国だ。北にもっとも影響力のある国でもある。一方、米国の主要敵は中国に確定した。中国を抑え込むためなら北朝鮮とも野合しかねない。

 「米韓」が「中朝」を共通の敵としていた冷戦時代はとっくに終わった。今や米国と韓国の、主要敵と潜在的友好国が完全に入れ替わった。もし米中対立が厳しさを増せば、米韓同盟は存続の危機に直面する。

 そこに降ってわいた、ややこしい日韓軍事協定。「米国に義理立てして結ぶつもりになったけど、我が国にとってたいして意味のある協定でもない。それが、昔のように保護してもらうかもしれない強大な隣国から睨まれる材料になるのはかなわない」――中国から脅された後は、ほとんどの韓国人がこう考えるだろう。

「従軍慰安婦で協定結べず」?

 もっとも、米国からの圧力も相当なものと思われる。「日本との密室の合意」と与野党から徹底的に批判されても、李明博政権が締結にこだわることからもそれが伺える。では、米中の板挟みになった韓国はどう切りぬけるつもりだろうか。

 韓国では“運よく”左派が「反日」を理由に協定締結に反対している。韓国はこれを利用し協定を棚上げする手がある。まず、中国に対しては「ご指示通り軍事協定は断りました」と歓心を買う。

 米国に対しては「ご指示通りに協定を結ぼうとしたのですが、日本のせいでできません。従軍慰安婦問題や独島(竹島)問題で日本が強情なため、我が国の左派が反対するのです」と責任を転嫁する。

 協定署名をドタキャンされて驚く日本に対しては「慰安婦で韓国の要求を受け入れず、軍事大国化を狙うお前が悪い」と居直る。「反省と謝罪が足りないので韓国との関係がうまくいかない」と常に主張する日本の“リベラル派”がそれをオウム返しにしてくれるだろう。

 まだ、どうなるかは分からない。でも、相当に飛躍した論理を駆使して日本の軍事大国化批判を強める韓国の新聞を読んでいると、こうなっても不思議ではないと思えてくる。

「反日ひとり相撲」のカゲで

 日本では「また、韓国の『反日ひとり相撲』が始まったな」とあきれ顔の人が多い。確かにそうなのだが、見落としてはいけないこともある。

 最近、小さく報じられたニュースがある。「中国と韓国の軍当局が事実上の物品役務相互提供協定(ACSA)締結を目指して交渉中。結べば米国に続き2番目」(7月3日付韓国各紙)である。

 「日本とのバランスをとるため中国にも申し込んでいる」(朝鮮日報5月21日付)と韓国政府が説明していた軍事協定だ(「“体育館の裏”で軍事協定を提案した韓国」参照)。「日韓」が事実上棚上げとなった今も、「中韓」は交渉が進んでいることが判明した。

 FTA(自由貿易協定)交渉でも、韓国は日本よりも中国を優先した。中国に脅された結果だ(「中国から“体育館の裏”に呼び出された韓国」参照)。

 排他的経済水域(EEZ)に関する国際交渉で、韓国は中国に追従し、日本や米国と対立するようになった。保守派の朝鮮日報も「韓中連携で日本に大陸棚境界交渉を要求しよう」(7月7日付)と堂々と訴えるようになった。もう、韓国は少し前までの韓国ではない。

 台頭する中国に備え、米国は日韓を従え“陣構え”を急ぐ。でも、中国だって、脅したりすかしたりしながら南北朝鮮を従え“陣構え”を作っているのだ。それも結構、着実に。

まさに仰るとおりでした、と筆者の方に申し上げたいです。

そこで今回の記事のタイトルです。

中国から見た時に、日韓の離間策は成功しました。日米離間まで出来れば御の字ですが、さすがにそれが容易でないことは勿論中国もわかっている。であれば、どこを狙うか?私は台湾だと思います。

実際に今回の集団自衛権の問題で、中韓以外表だって反対している国は見つかりませんが、実は台湾も警戒心を表す論調が多いのはご存知でしょうか?

台湾で誤解氾濫、支持広がらず 集団的自衛権「アジアの安全を破壊」
詳しくはこちら

また従軍慰安婦問題でも、馬総統が積極的に批判しています。

馬総統、「慰安婦歴史陳列所」候補地探しに協力
詳しくはこちら

台湾も経済的に対中依存度が高いので、あとは歴史問題で国民の反感を煽るよう親中メディアを使いながら日本を叩き、日台離間を次の作戦においているように見えます。

こういった状況を踏まえた、多面的な対応で日台関係を良好に保つ外交が、今の日本には必要と思います。

今、やはり、東アジアでの国際関係が大きく変わろうとしていることは間違い無いと思うのです。

平和と軍隊 その1

なんだか余り盛り上がらない選挙期間が過ぎ、もう今週末には投票日となりました。

そんな盛り上がらない話題の中、ちょっと話題になっているのが「国防軍」論争。

これからご紹介する文章は、仕事でも大変お世話になっている建築家の方の一人で、K先生とおっしゃいます。こう言うと大変恐縮ですが、この分野に於いて支持する方向性は自分とK先生は多分違うような気がします。でも、この文章そのものは大変に本質を突いた文章だと思いますし、一人一人がこういったことを考えながら投票することが大事なのだと思います。お灸を据えるとか、ただ有名人だからとか、どうせ政治家は自分のことしか考えていないと諦観するのではなく、自分のこととして考えなくてはいけないことだと思います。考えはおのおの違って当然。しかし、こういうことを考慮した上で考えるということは、等しく必要な事では無いかと思っております。

まずは、K先生の書かれたこの文章のみを全文ご紹介します。これを踏まえて自分が思うことは明日にでも書こうと思っています。


僕は1979年から84年までイギリスにいました。今から思えばそのわずか数年の間に英国史に残る出来事が沢山起きた。サッチャー政権の誕生、チャールズとダイアナの婚約結婚、そしてフォークランド紛争。。。僕の家族が住んでいたPlymouthはイギリス第二の軍港。妹が通う学校では在校生の父親が戦死しました。まさか自分が戦争当事国にいて、しかも戦地に赴く人々を身近に感じることになるなんて、想像もしていませんでした。

アルゼンチン沖にある小さな島々からなる英国領フォークランド諸島。僅かな英国人が居住していた島をアルゼンチン軍が電撃的に占領した。本当にあっという間の出来事でした。そして、これまた間髪を入れずに英国海軍が艦隊を率いて遥か南半球の小島に向けて出港したのです。その後の展開は皆さんもご存知の通り。両国1000人近い(だったと思います)戦死者を出しながら、イギリスの勝利で終戦したのです。

この戦争について、なにがしかのジャッジを加えることは私には出来ません。しかし、身にしみて感じたのは、「国家とは戦争をする機関である」ということです。しかも、開戦の決断はいとも簡単にあっさりと行われます。何故なら戦うか否かを迷っている暇はほとんどの場合無いからです。戦争とは詰まる所やるかやられるか。フォークランドであればアルゼンチンの実行支配が成立してしまったら終わりです。これは断言出来ますが、戦争は突然始まるのです。この国でしばしば耳にする「国民的議論」などする暇は一秒たりともありません。

フォークランド紛争から遡ること3年、総選挙でサッチャー率いる保守党が労働党を大差で破りサッチャー政権が誕生しました。当時現地のパブリックスクールに通っていた僕が驚いたのは、中高生たちの政治に対する当事者意識の高さでした。まず各クラスで保守党支持派と労働党支持派の代表がホームルームで選挙演説を繰り返す。そして、実際の投票日の前日だったと記憶していますが、全校生徒が校内の広場に集まって最後の演説会をした後、英国国籍の無い僕には投票権を与えないという厳格さを持って(笑)投票、開票と進み保守党の勝利が皆の前で報告されました。

今僕たちは戦争を始める権限を持つ人を選ぼうとしています。繰り返しになりますが、ダム一つを造る造らないでスッタモンダする国家も、開戦の判断は一瞬で遂行されます。こんなはずじゃなかったと思ったときはもう遅い。少なくともそこを理解した上で投票に臨むべきでしょう。イギリス(すくなくとも当時の)では、中高生が真剣に政治の議論を繰り返していた。そうやって政治家を吟味する訓練を繰り返していた。だから、サッチャー政権が戦争に向かっても誰も驚かなかった。サッチャーの政治的信条はもちろん、それによって国家が潜在的に有するダイナミズム突如発動されることがあり得ることもを国民は充分承知していたはずです。

当時のイギリスとアルゼンチンの関係や、両国を取り巻く国際情勢は、現在の日本と中国には全く当てはまりません。フォークランドで起きた戦いが、かの島で起きるとはなかなか想像出来ない。でも、起きるときはあっさり起きます。臨界点をウッカリ越えてしまったら、簡単には止まりません。原発と同じ。それだけは理解して投票所へ向かって欲しいと切に思います。


【多事争論】民主主義が試されている

世の中で起こる事象は、殆どが全ての人を満足させることは出来ません。

高校野球でも、上田監督がベンチ入りメンバーを決める時が一番辛いとおっしゃっていましたが、選ばれた人と選ばれなかった人との間には明かなコントラストが生まれていることでしょう。

負けた時に、慰めてばかりいても仕方ありません。時には厳しく、今以上の自分たちを作るために敢えて厳しいことも言ったり、実際に行動したりすることが必要な時もあるでしょう。

今世界経済は、ギリシャの財政不安に端を発し、前代未聞のアメリカ国債の格下げという局面を迎え、景気後退と全面株安という危機に直面しています。

また、日本でも一向に進まない復旧作業と、とめどもない反原発の論議が続いています。

ギリシャ等へEU諸国が積極的というよりはためらいながら(なんで他国のために我々が苦労しなければいけないという国民感情を気にしながら)小出しに援助して、なかなか危機が収束しない姿は、住専救済を巡る日本の混乱を思い出します。

アメリカの国債発行制限を巡る共和党と民主党の争いは、手厚い保護となるべく軽い税負担の両方を求める国民感情によるものとも言えます。

日本でも自らの利害関係や立ち位置ばかり気にして、本質的な対応が打たれない状況が延々と続いています。

こんな状況を見て、中国はこう言います。

中国、国債格下げで米を批判 軍事費の削減要求 (From 日経新聞)

新華社は「中国は最大の債権者として、米国に構造的な債務問題への対処と中国のドル資産の安全確保を要求する当然の権利がある」と強調。米国は「借金依存症」を改めるべきだとし「巨額の軍事費と社会保障費を削減しなければ、国債のさらなる格下げを招く」と警告した。

(全文はこちら

中国からすれば、為政者は様々な意見に惑わされること無く、するべきことをしっかりと実施してくれということでしょうし、だからこそ人民の声に惑わされない中国共産党の唯一絶対の指導的立場は堅持しなければならないと意を新たにしたことでしょう。

つまり、こういった危機的状況に直面した時、果たして民主主義はしっかりと対応出来るのか?ということが問われていると言っていいと思うのです。

菅首相は「最小不幸社会を」就任の際に発言していました。卓見だと思います。民主主義の欠点を述べている点で。例え必要であっても嫌なこと・事実を言うのは大変勇気の要ることで、特に落ちたらただの人の代議士は殆どがこういったことを言えず、耳当たりの良いことしか言えません。だから結果的に「最小不幸」しか語れないことが多いということだと思うのです。

では、それでいいのか?民主主義諸国、そして我らが日本。

そうは言っても、国民に厳しいことを言う指導者は、結果的に大きな支持を集めることが多いです。ケネディしかりルーズベルトしかり、小泉純一郎しかり。

韓国は21世紀になって虎の如く経済が伸びていましたが、その直前にはIMF管理下に国が置かれてしまい、大変な苦労をしていました。

民主主義だから、辛いことはやりたがらない。って言うんじゃ、アメリカ人はぜいたくに慣れているから戦場では使い物にならないと言っていた戦前の日本軍部と何も変わらないじゃ無いですか。でもあの時彼らは確かに団結し、ものすごい力を発揮して、日本はコテンパテンにやられたではないですか。

国民が、「ここは何が何でも頑張り抜いて、国を良くしよう」と覚悟を決めれば、必ず苦境は打破できるはずです。なんと言っても人に動かされるのでは無く、自発的に動くのですから。

政治家は今こそ国民に、マーケットに強いメッセージを出すべきです。オバマ大統領は緊急記者会見を行いました。日本は未だに菅首相がこの経済危機に対して強いメッセージを出していません。ここは昔鳴らしたアジ演説でもいいですから、日本国民を鼓舞するようなメッセージを出して頂きたい。そしてマーケットに具体的な施策を早く出せるよう、与野党関係無く早急にまとめてもらいたい。

国民も覚悟を決めて、自らの仕事に全力を尽くすべきです。

改めて言いますが、民主主義が試されています。小田原評定を続けている余裕はありません。耳当たりの良い言葉では無く、困難であるかも知れないが強く前に進むメッセージを我々は持つべきなのです。

【多事争論】放射線量が下がり、そして日本は・・・

東日本大震災から1週間が経過しました。

被災地、福島原子力発電所、計画停電地域など各所で、献身的な努力・譲り合いの精神が発揮されている報道を見ていると、同じ日本人として誇りに思います。

心配していた福島原子力発電所もまだまだ予断を許さないとは言え、周辺を含む放射線量は一頃よりは下がってきています。

http://www.tepco.co.jp/nu/monitoring/index-j.html

http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/present/result01.html

http://www.atom.pref.kanagawa.jp/cgi-bin2/telemeter_map.cgi?Area=all&Type=WL

http://www.kankyo-hoshano.go.jp/real-data/servlet/area_in?areacode=1

一時期はどこもこの数値より遙かに大きい数字が出ていました。これが漸減の傾向にあるので、今のところ新たな爆発的事象や漏出という事態にはなっていないのだと思います。これは一にも二にも現場で文字通り命がけで作業に取り組んでくれている多くの人たちのおかげだと思います。委ねられた大きな期待に応えようとする人たちの尊い気持ちは賞賛しきれないほどだと思います。

ただ、まだ電源復旧→緊急冷却装置の再稼働という、持続的改善には至っていないので、まだまだ予断を許さない状況であることには変わりないですね。引き続き、日本の幸運を祈るしかないですね。


さて、震災のショックからようやく頭も普通に回り出してきているところで、いろいろな批判や問題点が提起されてきています。

佐々さんの言った「Crisis ManagementではなくManagement Crisisだ」という言葉は言い得て妙だと思いましたが、今は方々で最善を尽くそうと努力をしているものの、それが統合した形で動くというようになっていないというところが問題点のように感じます。戦争に例えてみると、広範囲における大規模戦闘が突如開始され、参謀本部は大混乱。個別戦闘地域に注意が払われ、他方面での注意が散漫。さらに各現地軍の司令官が誰かも明確になっておらず、そこに与えられている権限も不明確という中、個別の戦闘で兵隊が奮闘しているといった具合でしょうか。

どこかで聞いた光景だと思ったら、太平洋戦争末期のソ連侵攻に似ているように感じます。

また、報道も最近読んだ「太平洋戦争と新聞」で読んだような光景、すなわち悲劇的な状況、英雄譚、各社が競って展開する募金。昨日の8日ぶり発見の報道も、そういった感動的なニュースの収集を中央から指示されていたばかりに起こった勇み足のように感じます。

また、首都圏で起こっている種々の買い占め騒動は、オイルショックの頃を彷彿とさせます。

つまり、危機状況下において取る行動とは、時代の差なく大体同じようなことになるのだと思います。だからこそ、歴史、特に近現代史を知っておくことは大変重要なことだと思うのです。

よく小馬鹿にしたように言われる「大本営発表」もただ彼らが無能であったり、不誠実であったから行われたものではなく、彼らなりに拘った要件、つまり国民の士気であったり情報不足であったり責任問題であったりしたわけで、当時の彼らを嗤うのではなく、どうしてそうせざるを得なくなったのか、どうすればもっと有用な形になるかを考えることこそが大事だと考えます。

だからこそ、今の政府の情報公開不足や混乱を批判・批難もいいのですが、それより「今、こうすべきだ」という意見を開陳する方が有効だと思います。ここにこそ、政治家の出番があるのだと思うのですが。

私は専門家でもなんでもないので、子供じみたことしか考えられませんが、兎にも角にも今必要なのは、大方針、中方針、小方針の確立と、判断の速さが求められる事態では適切な権限委譲が行われるべきだと考えます。

まず短期的には、一番大きな課題は「混乱の収束」。これに尽きると思います。

この「混乱」には思いつくだけで挙げてみると、「原子力発電所被災における、放射能被害の防止」「被災地における、必要最低限の生活環境の確立」「日本全国の物流の混乱の収束」「各支援表明国の支援内容の整理と、その効果的な活用」「被災していない地域の混乱の収束」「市場の混乱の収束」「情報開示の混乱の収束」 といったところでしょうか。

(ちょっと小さく批判しますが、市場の混乱に対する無策さは上記の中でも際立っていました。変節したといろいろ批難を受けたY大臣はこの急激な円高に対し、道義的なことを口にする始末。私がY大臣を評価しないと言った理由がここにあります。)

そうしたらその問題の解決をする長を早急に任命する。そして、各課題に対して、人・モノ・カネの算段、およびその運用を今ある優秀な官僚組織をフル稼働させて、1日で立案させる。

その上で、それを調整する統合会議を総理直轄で行う。本当はこれは閣議の仕事のような気もしますが、それに機能しない人々がいるというのであれば、実質重視の会議形式にする。

そして、その方針に従って迅速な行動を取り、その達成状況を定期的に報告し、中央で各部署の調整を図る。

こういったことが必要だと考えます。責任を分担してどうこうではなく、責任の所在を明確化し、目標および必達事項を明確化して、連動的な動きを図る、これが大事だと思います。

日本は戦後、実はもともとそちらの方が性に合っていると思われる並列的な組織を良しとしてきました。平時には各意見を集められる利点がありますが、非常時には意見の集約に時間がかかり、効果的な対応が取れない弱点が目立っています。非常時には垂直的組織の構築も必要だと、認識した方が良いと思うのです。


そして、その混乱が収束の兆しを見せたと同時に中長期的計画、すなわち「日本復興計画」の実施だと思います。

原典を忘れたのでうろ覚えですが、関東大震災の後、後藤新平が「帝都を復旧するのではない。これを好機に復興するのだ!」力強く宣言したと何かで読んでような記憶があります。今日本に漂っていた閉塞感を打ち破るきっかけとして、この大震災の教訓をいかし、より力強い日本の復興を目指すべきです。

そういったことを軸に大連立を組む!と言ってくれれば、お互いに良かったのですが。今回のちょっとした連立騒動、「責任を分担してほしい」と言った日本の最高責任者もそうですし、「共同責任を負わせようとしているのか」と言った野党第一党の総裁もそうですが、もっと党の利害を越えて、日本のために何かしませんか?「私が責任は取るので、どうか貴党の優秀な人材・豊富な経験をこの国難に役立たせていただきたい」「浅学非才ではありますが、この身が日本のためとなるのであれば、よろこんで泥をかぶりましょう」みたいな会話を本当はしてほしかったなあ・・・。

今一番大事なこと、それは大きなグランドデザインです。そのために与党だ野党だ言わず、この「お国のため」に何が出来るか、それのみに集中して自らの見識を示して貰いたいと思います。これだけ良識ある人々がいるにも関わらず、今のままではもったいなさすぎます・・・。

【多事争論】やはり、今の中国はしたたかではない?

ノーベル賞で日本人の方が2人も受賞されたりで、今年もまた随分と盛り上がっていますね。

そんな中、平和賞についてはちょっとした騒動に・・・。

まずは

中国、劉暁波氏のノーベル賞候補に不快感(9/28 From YOMIURI ONLINE)

といった形で、割と露骨にノーベル賞選考委員会に圧力をかけ、

いざ今日、

ノーベル平和賞、中国で服役中の劉暁波氏に(10/8 From YOMIURI ONLINE)

と決まるとお得意の海外テレビニュース一時停止から始まり、ノーベル賞の選考委員会に中国外務省がHP上で「こういう人物に平和賞を授与したのは平和賞に対する冒涜(ぼうとく)だ」として強く非難し、更に、

中国政府、ノルウェー大使呼び出し抗議(10/8 From YOMIURI ONLINE)

とどこかで見たことをやっています。深夜じゃないだけましなんでしょうか?


この行動を見た時、果たして賢明な行動を取っているように見えるのでしょうか?いや、普通に見れば「自分に都合の悪いことは、何であれ断固拒否し、抗議するような、利己主義の国」となるでしょう。

それがわからなくなるくらい、今の中国は自信を深めるが故に内向きになっているように見えるのです。

中国の人民日報の日本語版がwebにありますが、興味深い論説が2本ありました。

「一衣帯水」を妄信してはいけない(From 人民網日本語版)

 「一衣帯水」は良く中日関係を表わすのに使われる言葉である。釣魚島の衝突事件自身は数人をめぐる「小さな出来事」のようにだが、実は重要な事を意味している。この事件は中日両国の関係に深刻な変化が起きていることの予兆である。中国は行動に移す前に、しっかりと見定めなくてはいけない。日本と中国は文化も歴史も行動基準も全く違う国であるということを。

 「一衣帯水」の記憶は中日両国がとても親しく、どこか似たもの同士であると思わせがちだが、そこには根本的な違いがあることを忘れてはいけない。

 では、一体どんな違いがあるのか。

 まず、日本特有の文化はずっと変わりなく受け継がれてきたということである。中国が日本に与えた影響は大きいが、日本文化は決して中国文化をそのまま写した複製品ではない。孟子の頃から中国では、「恥を知る」や「恥を知ることこそ最大の美徳」であると言ってきた。偉人は自分の欠点に勇敢に立ち向かい、自分が間違っていれば素直に認め、改めよと教えているのだ。一方、日本の文化は「恥の文化」と言われている。確かに日本文化論の古典「菊と刀」で言われている「恥」には「間違いに対しての後悔」という意味合いもある。しかし、もっとも強調されている事は、「恥」のもとは「間違い」ではなく「間違いが公になって面子がつぶれること」にある。中日は「恥」という字が違うだけでなく、その意味合いにも大きな相違がある。このような価値観の隔たりは中日関係の中にもはっきりと現れている。

 また、日本文化は「生存競争の中で環境に適応できる個体だけが生き残れる」というダーウィンの自然選択説のような西洋思想の影響も大いに受けている。このような西洋思想と日本の伝統が融合し、各界のエリートたちが感化されただけでなく、日本の国際舞台での行動にも計り知れない効果を及ぼしている。また、日本は身分の違いがはっきり定まった伝統的な階級社会である。このような上下関係は日本文化の隅々にまで浸透している。日本の漫画「るろうに剣心」でこのような場面があった。敵側のリーダーは失敗し、負けが決まった時に自爆と言う道を選んだ。彼はその理由として「この場に居る全ての人が死ねば、我々が負けた事を知るものは誰ひとり居なくなる」と言った。このように、敗戦後に日本政府が戦争の歴史や責任問題に対して行なった一切の処理は、日本文化がそうさせたのだと理解する事が出来る。

 以上からも分かるように、日本は中国文化の影響は受けているが、全体的に見れば、両国の文化体系は全く違うものであり、国際社会の中での行動基準も理念もそれぞれ独自のビジョンを持っている。中国が繁栄し実力をどんどんつけている傍らで、日本は経済が停滞しどんどん転落している。中国が「弱肉強食」の法則に従い、この好都合な時に「歴史問題」を使って日本に追い討ちをかけ、面目をつぶしに来ることを日本はびくびくしながら待っているのだ。日本文化との違いをはっきり心に刻み、今後は全く違う考え方を持って中日関係の基礎を作り上げていく必要がある。

今までの「日本人民は我々中国人民と同じく日本軍国主義者の被害者であり~」みたいな論調は影を潜め、「日本文化は恥を知られるのを嫌いもみ消すのが特徴」といった驚くべき論理展開をし、「中国が繁栄し実力をどんどんつけている傍らで、日本は経済が停滞しどんどん転落している。中国が「弱肉強食」の法則に従い、この好都合な時に「歴史問題」を使って日本に追い討ちをかけ、面目をつぶしに来ることを日本はびくびくしながら待っている」と書いています。改めて言いますが中国の公式見解とも言うべき人民日報にこういったことが書かれています。「シナ人は能力に欠け」みたいなことを言っていた戦前の日本にそっくりです。

さらに今の民主党政権について、簡単に言えば経験不足で我々の相手に足る存在ではないとして、

中国は日本側についてクルクル「回る」ことはできない(From人民網日本語版)

 「環球時報」の報道によると、日本政府は、中秋節以後中国人船長を釈放することを発表したが、中日関係はすでに10日まえの状態ではなくなった。この出来事が中日両国に残る記憶は長期間に拭い去りにくいものである。 

 この出来事は中日両国の間で、インターネットの時代に発生しためったにない係争である。この出来事はことごとく中日の世論に暴露され、両国政府の決定は両国社会の大勢の情緒も加わわり、それゆえに、今回の出来事は中国社会と日本社会のトータルな対抗のようにも見える。 

 しかし、事実は以上記の表象と大幅な差異がある。すべての国が民意を口実に隣国との対抗を引き起こすのは、きわめて無責任なことである。今回、日本政府が中日関係を踏みにじる、やり方がこのように軽率で、彼らは最低限の国を治める経験がある政治家とではまったくないようである。 

 中国漁船拿捕事件を通じて、近隣の日本と付き合う時には、中国はとりわけ注意が必要だということがわかる。今の日本政府と付き合うには、中国が特に気をつけなければならない。菅直人首相と前原誠司外相の中国に対する姿勢がなに「派」に属するかに関わらず、彼らのアジア太平洋の全般的情勢に対する判断は正しくはなく、中日の共通利益を守る気迫に欠けている。選挙のプレッシャーのため、かれらの大部分の政治行為は推し量りがたい近視的なやり方となっている。 

 このような日本政府について、絶えず「突発事態に対処する」ことは、中国にとってとても疲れることである。だから、今回、中国はあまりはやくクルクル回ることができず、事のなりゆきの指揮棒を日本に手渡すことになった。われわれは、「この5年間に6回も政府が入れ変わった政府で、対中政策が変わりやすいことが日本にとってほとんど免れえない」と強調するものである。 

 中国側が先般、明らかに中日間の省・部クラス以上の交流を一時停止することは、少なくともしばらくの時間を堅持するべきである。中国社会の日本への観光に対する制裁も一時期堅持すべきである。国を治める経験に欠ける現在の日本政府がこの出来事を通じて、中国が軽率に対決できる国ではなくことをはっきりさせなければならない。また日本社会が、次のようなこと「中日間は必ず道理を述べなければならず、意地になって争ってはならない、ということを知ってもらわなければならない」なぜなら13億の中国人が日本民族を圧倒すると考えたことはなく、しかしわれわれも1億の日本人の気性に圧倒される理由がないことははっきりしている。 

 中国がこのようにするのは一部分の日本人に刺激を与えることはわかっているが、しかし今回の出来事のエスカレーショは、完全に日本側からもたらされたもので、このような刺激は日本社会がどうにも耐えなければならない。一定の刺激を受けたに、日本社会がまじめに中国社会の状態をじっくり見て取ることができ、中国人民が「独裁政権」からおとなしく管理されている木ではないことを信じることになろう。 

 中国は決して、日本と様々な是非曲直と面倒なことにしがみつく考えはないが、しかし、このような考えがないため、今回はある程度堅持するべきである。日本の右翼たちのわめき立てを恐れる必要はなく、西方の世論の辛辣な風刺を恐れる必要もなく、中日関係に新たな予想のことが出てくることを懸念することもない。これまでの何度かの摩擦が、「天が崩れ落ちてくるのではない」ことを証明している。中国からの対抗措置が平和的で、中国社会がいかなるとき冷静さを保ちさえすれば、われわれは中日関係のすべての波風ひいては悪化を耐えることができる。 

 中国社会は改革開放に忙しく、「反日」の要もまったくない。また、そんな気持ちもない。しかし、日本側がややもすれば「反中」に走ることを避けるため、日本に対して一段時期の冷淡さを保つことが大いに必要だ。

とくさしています。あれだけ中国にすり寄っていた民主党の鳩山元首相やら小沢元幹事長やらは「最低限の統治能力にも欠ける」と言われてどう思うんでしょうかね?「シナ政府に統治能力は無く」とか「爾後国民政府を対手とせず」とか「暴支膺懲」とかを思い出します。

これらの論説を平然と日本語訳して公開している人たちが「したたか」だと見えますか?本当に見れば見るほど日本の日露戦争後の歩みを見ているかのようなことを、今中国がしているように思えます。繰り返し書きますが「自信を深めるがゆえに内向きになっている」ように思うのです。であれば、落としどころをしっかりと見て、水が方円に収まるかのように事態を持っていくような芸当は出来ない国だと見た方がいいと思うのです。つまり中国は「したたかではない」「自分たちの利益を最優先して考える」と認識することが大事だと思うのです。

そういった国が隣国にある日本としては、どうやって自主独立の国となるべきか、政治・経済・外交・軍事・文化等の面からしっかりと考える必要があるわけです。上の2本の中国政府・中国共産党の公式紙である人民日報の論説を読んで何も思わない日本人もいないでしょうし。問題は、普通にニュースに接している限りではこの手のことは殆ど報道されず、「中国政府も反日運動に苦慮している」みたいなことばかりしか聞こえてこないことですが・・・。

【多事争論】-参議院のあり方と政局

大きなタイトルを掲げてはみましたが、多分取るに足らないような内容になりそうな気が・・・。

来月に参議院選挙が行われます。参議院選挙は「国民の信を問う」とは違うと言われながら、結構政局に大きな影響を与えていると思います。特に80年代後半以降。

思い返してみても

第15回参議院議員通常選挙(投票日 1989年(平成元年)7月23日)


竹下政権下のリクルート問題や消費税、宇野総理の女性問題などが焦点になった選挙であり、野党である日本社会党は女性党首である土井たか子による活躍で46議席を獲得し、与野党逆転を収め「マドンナ旋風」と呼ばれるブームをまきおこした。土井たか子はこの選挙結果を「山が動いた」と表現した。敗れた自民党の橋本龍太郎幹事長は 「ちくしょー。」と思わず憤るほどの惨敗であった。

→ここで政局は大きく動き、海部総理の登場となりました。派閥の長じゃない軽量級の総理というのはこれが端緒だったように思います。その結果、実力者と権力者が違うという、責任の所在がわかりにくい90年以降の政治に繋がったのではないでしょうか。更にこの選挙の民意と言うことで言えば、「消費税No!」ということでしょうが、今から見れば暴論とも言える話し。この選挙の結果のプラス面として言えば、介護保険の舵がきられたということかもしれませんが、これもはっきりとそうだとは言いにくいと思います。


第18回参議院議員通常選挙(投票日 1998年(平成10年)7月12日)

# 自民党の敗因は、前年の国民負担増(消費税率引上げ等)、それに伴う景気の後退、失業率の上昇などとみられる。また、投票直前の橋本総理の減税に関する発言が二転三転したことも有権者の不信を招いた。 # 自民党は負けたとはいえ野党側の政権コンセプト・候補者ともに不足していた。社民党は政権に加わって社会党以来の方針を大きく変更したことで信頼を失ったことで批判票の受け皿にならず、結果として共産党が結党以来最多の当選者を出し自民批判票の大きな受け皿となった。 * 現有議席の大幅減を受け、橋本内閣は総辞職した。後継の小渕恵三内閣は、過半数割れした参議院対策に苦労し、連立を模索するようになる。 * 議席を獲得できなかった新党さきがけは「さきがけ」に改称、事実上の解散となった。同党はのちに「みどりの会議」に改称するが、当選者を出せないまま解散した。

→消費税を5%にした後の選挙。実は小泉内閣時の改革路線は、橋本内閣と同じ路線。もう少し言えば、より理想主義的なものだったように思えますが、テレビでの橋本総理の発言(サンデープロジェクト)が非難されるなど、テレビでの見え方がより重要となった選挙だったと言えるのではないでしょうか。ここでも内閣が替わるきっかけとなりました。


第19回参議院議員通常選挙(投票日 2001年(平成13年)7月29日)

第1次小泉内閣発足後初の国政選挙となった。また、比例代表区が従来の党名による投票(厳正拘束名簿式)から、党名、比例候補者名のいずれでも投票できる、非拘束名簿式に代わった。 自民党は小泉純一郎総裁が高い人気を得ており、64議席と復調。比例区では20議席を獲得した。しかし、選挙区では前回参院選で2人擁立しての共倒れが続出したことに加え、第2次森内閣 (中央省庁再編)末期の不人気から候補者を絞っていたため、東京都選挙区、千葉県選挙区、神奈川県選挙区では、1人で2人分以上の票数を記録する結果になった。 公明党は選挙区、比例区とも手堅く現有を維持し、13議席を得た。保守党は0議席も予想されたが、比例区で扇千景党首への個人票に助けられ、1議席を死守した。 民主党は現有を上回る26議席を得たが、自民党が候補者を絞ったことに助けられた部分もあり、比例区では公明党と並ぶ8議席に留まった。 前回躍進した共産党は5議席と1/3に激減、9年前の水準に戻った。自由党は岩手県選挙区の他、新潟県選挙区でも議席獲得に成功し、比例をあわせ6議席を得た。社民党は選挙区で全滅し、比例区の3議席のみとなった。 その他、比例に候補を立てた確認団体は、自由連合、第二院クラブ、女性党、新党・自由と希望、新社会党、無所属の会、維新政党・新風があったが、いずれも議席を得られなかった。 比例区は非拘束名簿式になったことで、個人票狙いのタレント候補の擁立など、全国区時代への回帰も見られた。しかし、結果は自民党の舛添要一が得た1,588,862票が最高で、団体の組織候補を含め、個人票の割合は概して低かった。また、自由連合は大量のタレント候補を擁立して注目されたが、結局0議席に終わった。

→これは逆に選挙の勝利を目指して自民党が選挙前に総裁を替え、大成功した選挙。それと共に全国区時代のタレント頼りが復活した選挙とも言えましょう。


第21回参議院議員通常選挙(投票日 2007年(平成19年)7月29日)

郵政造反組復党問題や年金問題、相次ぐ閣僚の不祥事等が重なったことを主要因として、自由民主党の獲得議席数は37議席と第15回参議院議員通常選挙(1989年)以来の歴史的大敗を喫し、1955年結党以来初めて他党に参議院第一党の座を譲った。改選議席数の確保を目指していた公明党は神奈川県・埼玉県・愛知県の各選挙区で現職議員が落選[1]、比例でも票が伸びず議席を減らした。 一方、野党第1党の民主党は追い風を受け60議席を獲得し、参議院で第一党となった。自民・民主の二大政党の争いに埋没した共産・社民両党は苦戦し、議席を減らした。国民新党は現有議席数を維持し、新党日本は1議席を確保した。非改選議席と合計すると137議席となり、野党は参議院における安定多数を確保した。

与党の自民党・公明党の議席数を併せても過半数はおろか民主党の議席にも及ばず、与党は参議院の過半数を獲得できない状況での政権運営を強いられることとなった。参院選を受けて自民党内で安倍首相退陣の動き(安倍おろし)が起こり、安倍は続投を宣言したものの、9月12日に退陣を表明した。

参議院議長・議院運営委員長などの参議院主要ポストを野党が担当したことで、与党側は、衆議院において多数を得ている状況にあっても、参議院を中心とした議会運営の主導権を野党に握られることとなった(ねじれ国会)。
 * 与党が反対している野党提出法案を参議院で先議・可決し、衆議院へ送付した例
 年金保険料流用禁止法案
* 衆議院議決法案の60日間放置などによる審議の遅延・会期切れによる法案の廃案
* 野党主導による与党参議院議員への登院停止などの懲罰決議案・首相や閣僚などへの問責決議案・与党常任委員長への解任決議案・与党参議院議員への議員辞職勧告決議案の可決
* 野党主導の国政調査権発動や証人喚問
(ただし、出席拒否や偽証罪に関する議院証言法違反の告発は三分の二以上の賛成が必要なため、野党単独ではできず、与党が賛成か棄権をする必要がある)
前防衛事務次官守屋武昌の証人喚問。
* 日本銀行政策委員・会計検査院検査官・人事院人事官などの国会同意人事案件での不同意
同意人事案件については3つの役職について参議院で不同意となった。

→日本の政治が著しく停滞しましたね。未だに日銀の副総裁は一人少ないです。


こう振り返ってみると、この参議院選挙の結果というのが日本の国政になんだか変な影響を与えてしまっていることに驚きます。政策の遂行と言うよりは、政策の停滞を招くことが多い結果だからです。

自分が思うに、この原因は衆議院の優越が限定的で、予算、条約、首相指名以外は衆議院の2/3が無いと何も決められない仕組みから来るものと思います。理想的には衆議院と参議院の議員の選び方を変えて、法案決定機能を複層的にするか、それぞれの権限をもっと明確に、例えば条約や国防に関することなら参議院で予算なら衆議院とかにわけることが一番いいと思います。
とは言え、それは憲法改正にもつながる大変な事。

であれば、せめて3年毎に半数を改選するのではなく、6年で一遍に替えて欲しいと思うのです。衆議院の選挙の他に、3年に1回国政選挙があると言うことは、殆ど毎年国政選挙が行われていること。これでは、よほど強力な与党1党体制で無い限り、ポピュリズムに政治が走らざるを得ず、その結果今ある国としての課題に対して、国会が有効に機能しないことを意味すると思うのです。であれば、3年毎に選挙とするのではなく、6年に1回にすれば選挙目当てに動くことも多少は少なくなり、少なくとも国政レベルではもうちょっと落ち着くのではないでしょうか。

今は議員の定数削減は話題に上るものの、参議院のあり方について話が出てくることは少ないです。が、ここ20年の政治機能不全は、自分は参議院制度によるところ大だと感じています。であれば、まずは国会と参議院のあり方についてみんなもっと真剣に考えるべきなのでは?と考えています。立法府における今の意思決定システム、どれくらいの方々が今の制度がいいと思っているのでしょうか?

多事総論 -日本と同盟関係

最近ずっと話されている普天間基地移転問題。

その前にも国際同盟問題で日本で議論になったのが

・イラク派遣問題

・湾岸戦争での貢献の在り方

・日米安保条約から新安保へ

・日独伊三国軍事同盟の可否

・日英同盟の在り方、とくに第一次世界大戦

なんていうのがあったと思いますが、どれも思い出してみると

イラク派遣問題
→割と早く派遣を決断。国内では憲法との問題から「非戦闘地域とはどこだ?」が問題に。

湾岸戦争
→憲法の制約を理由に資金提供のみで、存在感を発揮できず、後日掃海艇を派遣することに。

新安保
→「日本が戦争に巻き込まれる」が争点となり大問題に。成立と引き換えに岸内閣総辞職。もっとも内容は片務的。

日独伊
→欧州情勢が枢軸側に有利と見るや、「バスに乗り遅れるな」ということで独伊と急接近。もっともそれまでの中国政策から大陸で権益を持っている連合国側との対立が深まっており、その状況を打開したいという気持ちも強かった。実際に同盟締結後はUボートやメッサーシュミットなどの先端技術の導入をドイツに依頼するケースが目立った。

日英同盟
→日露戦争時には英国は情報の提供、バルチック艦隊の航海に対して執拗に補給の妨害を図るなど多くの便宜を図る。第一次世界大戦時に日本は地中海への日本艦隊の派遣を英国から要請されるが消極的な対応になり、逆にチンタオのドイツ軍への攻撃やシベリア出兵などで三国協商側の極東部の権益に対する仕掛けが目立った。

といったところだったと思います。

これを見る限り「対等な同盟」、すなわちどちらが上でも下でもなく、お互いに困った時は助け合うという精神に欠けているように見えます。よく日本の良さとして「おもてなしの心」とか「相手を慮る配慮」とかが挙げられますが、こと同盟問題に限ってみれば、たとえばアメリカとイギリスのように、大事な場面で助け合う精神が政府や国民に欠け、自分たちにとって不利はけしからんといった感情が強いように思えます。相手がいつも西欧諸国のせいか、どうしても「攘夷」のエッセンスがチラッと出てしまっているように思うのです。

でもそれじゃあ相手から見れば、「日本恃むに足らず」としか思えなくなりますよね。

良くも悪くもイラク問題の時、早い時期から賛意を表明していた日本に対してアメリカは北朝鮮問題等で大きなバックアップをしてくれていました。この時くらいじゃないですかね、同盟国が政治的軍事的に困っているときに手助けをしたことって。(義和団の乱の時は同盟関係諸国はいなかったので)

今回の普天間問題やら、その前の鳩山首相が掲げた「対等な日米関係」という言葉は、どれもこれも日本の負担軽減ばかりを言っているだけで、それでは同盟国と言うより宗主国に対して不満を持った被支配国といった発想に見えます。大体アメリカからすれば、「こっちが国防を手伝ってあげたおかげで、日本は驚異的な経済発展をしたじゃないか。これだけリーズナブルに国防を済ませておいて何を言っているんだ?」と思っているんじゃないでしょうか。

wikipediaによれば、

「同盟(どうめい)とは、何らかの利害・目的・思想の一致により個人同士・勢力同士が協力を約束、或いは実際に協力している状態及びその組織」

だそうです。

残念ながら今までの日本を考えると、自分たちの立場から見る見方ばかりが目立っているように思えます。そろそろ相手の立場に立ったものの考え方を、日本政府やマスコミ、そして日本国民はすべきではないでしょうか。そして協力し合うべきではないでしょうか。それがめぐりめぐって自国の利益につながる気がするのです。

でも聞こえてくるのは沖縄県に基地が集中して沖縄県民が困っているとか、アメリカが結局はいたいからいるんだとか、思いやり予算も日本が負担しすぎているくらいだとか、アメリカ軍なんだからアメリカ国内に基地を設けるべきだとか。その発想のどのあたりが「利害・目的・思想の一致により個人同士・勢力同士が協力を約束」につながるのでしょうか・・・。

米中の電撃接近の時、周恩来とキッシンジャーはこんな会話を取り交わしています。1971年のことです。

周恩来:「日本をこんなに太らせたのは米国だと言わざるを得ません」

キッシンジャー:「それはそうだが、現実だから仕方ない。どうするかは我々(米中)で決めましょう」

周恩来:「日本は戦後賠償を免れ、他国の戦争で大もうけした。米国が管理しないと何をしでかすかわからない」

キッシンジャー:「中国の視野は世界的だが、日本の視野は狭くて部族的だ」

キッシンジャー:「日本人は他国に感受性がない。自分のことしか考えず、変わり身が早い。封建制から天皇制に2、3年で変わり、天皇崇拝から民主主義へはたった3カ月だ」

周恩来:「島国ですからね。とても変わっている」

(From 周恩来の日本観

興味がある方は上記のリンクのページに、直接の議事録のリンクが張ってあるので、是非原文をお読みください。外交だなあという感じがします。ちなみに原文を読むのも難儀だなあと思う方はこちらをどうぞ。

こんなことを言われてしまうのも、今まで述べてきたことも関係しているのでしょう。そしてこういった見方をされているのはこの時から40年近くたった今でも変わらないのだと思います。この国際社会でこれからも生き続けていくからには、今一度対外関係の結び方というのを見つめなおす必要があるのだと思います。そのための試金石として今の普天間問題があると思われてなりません。

多事争論 -多事争論にならない党首討論

今日は鳩山内閣になって初めて党首会談が行われ、自民党の谷垣総裁、公明党の山口党首と鳩山総理大臣が討論をし・・ていませんでした。

こういうときに産経新聞のサイトは役に立ちます。省略せずにそのままやりとりを掲載してくれるからです。

【党首討論詳報】(1) 谷垣氏「首相は平成の脱税王」

【党首討論詳報】(2) 「小沢幹事長に責任を申し上げるつもりない」

【党首討論詳報】(3) 谷垣氏「私は助け舟を出したつもりだが…」

【党首討論詳報】(4) 谷垣氏「小沢氏の証人喚問を」

【党首討論詳報】(5) 首相「消費税の議論、早すぎる」

【党首討論詳報】(6) 政治資金の与野党協議、首相「民主党としても設置に賛成したい」

【党首討論詳報】(7)完 山口氏「『なせばなる』は『YES、WE CAN』」

(全て、MSN産経ニュースから)


内容を読むと、殆どが政治と金のお話し。それも野党側は鳩山首相と小沢幹事長の問題、そして民主党の支持団体である日教組と労働組合の違法献金のお話しの追及であり、与党側は自分たちは悪意は無いから悪くないんだ!という開き直りと自民党の大きな資金源となっている企業献金の禁止、そして自公政治の失政についてであり、まったくもって自分たちの立場(支持団体)から、相手の立場を攻撃することだけに終始したお話しのやりとりだったようですね。すなわち、全く討論になっておらず、めいめい勝手に言葉を投げ合っているだけになってしまっています。これこそ正に「国会崩壊」ではないでしょうか。

勿論多少は手前味噌が入っても仕方ないとは思いますが、例えばお話しの中で谷垣総裁が「格付け機関が日本の国債をネガティブで見ていることは問題では?」と出しても、鳩山総理も何も対策を切り出さず、かといって谷垣総裁もその後言いっぱなしで自党の対策案を出すわけでもない。二人とも本当は「日本の国債がネガティブの判断を受けている」ことを問題とは思っていないでしょと、言いたくなってしまいます。

でもって、そういったことをマスコミも憂うどころか、一緒になって嬉々として「政治と金」の問題に終始してしまう。

例えばこの議論の後、民主党の横粂勝仁議員は

「党首討論は追及の場ではなく、与野党のリーダー同士が国の根本を話し合う機会のはず。あの約45分を有効に使えば、子育てに苦しんでいる人や仕事がない人を助けることもできるのに」と野党の姿勢を嘆いた。

そうです。その通り!と思います。但し、彼も逆の立場、すなわち今自民党にいるか、または民主党が野党であったらこの言葉は言わないでしょう。それが今の日本の政治の一番の問題だと思うのです。自分は今回の党首討論をこう言ってはなんです、こんなくだらない質問に終始した今の自民党にがっかりしています。それと共に、今も民主党の中枢部にいる山岡国対委員長が野党時代、参議院選挙で勝利した後の自衛隊のインド洋給油問題で「今審議に入らないと困るのは相手なんだから、こちらから急いで審議に応じる必要はない」とあからさまに党益のみを考えた発言をしていたことも忘れません。

なんのために日本に政党が存在しているのか、わからなくなってきました・・・。後藤田さんが官房長官時代、「省益を忘れ国益を想え」と訓示したそうですが、今の国会議員には「党益を忘れ国益を想え」と言いたいです。

多事争論 -ニュースの優先順位はマスコミが作る?

拙ブログをご覧になる方はご存知かもしれませんが、自分は民主党は余り好きではありません。

でも最近のマスコミの姿勢は、やはり好きになれませんし、鳩山内閣をもっとまともに評価してほしいと思います。

2つ例を挙げましょう。

【鳩山ぶら下がり】小沢氏「二度と出てこない政治家」(14日夜) (From MSN産経ニュース)

 【ハイチ地震】

 --ハイチで大地震があり甚大な被害が出ているようだが、受け止めは

 「はい、また、このハイチの大地震に関して多くの人命が失われたこと、心からお悔やみを申し上げたいと存じます。また、行方不明の方もたくさん出ておられるようです。早く、生きて救出されるように期待をしたいと思っておりますし、また、多くの方々がけがをされておられる。心からお見舞い申し上げたいと思います。私どもとすれば、このように、まさに人が大きな地震に見舞われるということ、そのことによってこの国自体が大変な状況になっていると思いますから、日本として何ができるかということを早急に考える必要があります。その意味で、まずは6名の方を、外務(省)、防衛(省)、そしてJICA(国際協力機構)の方々を派遣をして、日本として早急に何ができるかを決めてまいりたいと思います。資金的な援助とか、あるいは物資的な援助も当然、すぐに行ってまいりますけども、さらに相当被害が大きいことが予想されていますので、世界の協力の中でですね、ハイチの国民のみなさんの命を救うために全力を尽くして行っていきたいと思います」

(後略)

産経新聞のサイトは、インタビューをまとめることなく全文載せてくれるから好きです。とは言え産経だけに、記事の論調は小沢さんを擁護したみたいな話になっていますが。
このぶら下がりの時に一番最初に出ているお話しは、ハイチの大地震であり、それに対して「人を大切にする」と標榜している鳩山首相が話しているのに、ここの部分は他のマスコミに至っては殆ど無視されて、小沢さんの問題ばかり取り上げていました。それで次のニュースは「ハイチの大地震でアメリカ、ヨーロッパ、中国から(日本は入っていません)支援隊・物資が続々と到着しています」とやっているんだから・・・。

続いては、石川議員逮捕を受けて自民党の河野太郎議員のコメントも何だかなあといった感じです。朝のニュースを見ていたら、殆どはこんな論調でした。

自民党の河野太郎議員は「(進退は)小沢さんが判断されるべきことだと思いますし、このまま何もしなければ、世論というのは当然、小沢さんに何らかの行動を求めるようになってくると思いますので」と述べた。

(From FNNニュース

でもテレビ朝日は民主党を応援しているが故ではあるんでしょうが、その前後に言っていたコメントも紹介していました。うろ覚えなので(つまり掲載しているサイトがANNを含めて無いのです)正確ではありませんが、趣旨はこういった感じです。

「こうやってお互いスキャンダル合戦をしていても仕方がない。それより政治の本来の役割を果たすように努力すべきだ。」


確かに小沢さんの問題も面白いでしょうし、それによって視聴率等もとれるのでしょうが、その問題より例えばハイチの支援の問題であったり、次年度予算案を含めた今後の経済の行く末であったり、外交問題とかを話すことの方が、日本という国にとっては余程重要だと思うのです。で、それなりには政治家たちも発言をしていますが、マスコミが取り上げるのは、今では小沢さん問題ばかり。マスコミの人には、本当にそれが今一番ニュースソースの中で重要だと考えているのか聞きたいです。

願わくば来週から始まる通常国会の代表質問で谷垣さんが「本来であれば、小沢幹事長のお話を聞くべきかもしれません。しかし政策こそ第一と考える我が党としては敢えてこの場でそれは問いません。それよりも我が国にとって喫緊の課題である経済問題と外交問題についてお尋ねしたいと思います。」と言って始めてくれたら、自民党を見直すんですけどね。さすがに代表質問の冒頭部はニュースで流すでしょうから、そうやれば評価する人も多いんじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか?そうやってマスコミが勝手に作ったニュースの優先順位を、正常な形に戻してもらいたいものと思うのです。

より以前の記事一覧