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尖閣諸島の問題とは?

最近、石原都知事が尖閣諸島を東京都が買い取ると表明して、ニュースになっていました。

その是非はともかく、なぜ尖閣諸島がここまで問題となるのでしょうか?こういった問いの場合、よく出てくるのが「海底資源(石油)の存在が明らかになって以来、中国と台湾がそれぞれ領有権を主張した」という解説。

確かにそれもあるでしょうが、それだけではないと思います。というか中国もはっきり言っていますが、日本では余り話題になりません。

この問題は純軍事的に、中国が布石として尖閣諸島を欲しているからだと思います。

日露戦争時の閉塞作戦ではありませんが、船は出航して海を自由に航行できない限り制海権を握ったとは言えません。

中国の今の現況を地図で見てみましょう。

Map_1

中国という国が、紫色のラインより内側に押し込められているのがわかると思います。

実際にこのことを改めて中国が認識したのは、1996年の台湾海峡ミサイル危機。

台湾総統選挙で李登輝優勢の観測が流れると、中国軍は選挙への恫喝として軍事演習を強行した。基隆沖海域にミサイルを撃ち込むなどの威嚇行為を行ない、台湾周辺では、一気に緊張が高まった。人民解放軍副総参謀長の熊光楷中将は、アメリカ国防総省チャールズ・フリーマン国防次官補に「台湾問題に米軍が介入した場合には、中国はアメリカ西海岸に核兵器を撃ち込む。アメリカは台北よりもロサンゼルスの方を心配するはずだ。」と述べ、米軍の介入を強く牽制した[1]。 アメリカ海軍は、これに対して、台湾海峡に太平洋艦隊の通常動力空母「インデペンデンス」とイージス巡洋艦「バンカー・ヒル」等からなる空母戦闘群(現 空母打撃群)、さらにペルシャ湾に展開していた原子力空母「ニミッツ」とその護衛艦隊を派遣した。その後米中の水面下の協議により、軍事演習の延長を中国は見送り、米国は部隊を海峡から撤退させた。(From wikipedia)


といった事件だったのですが、この事件の結果中国としてはいくらミサイルでアメリカを脅しても自分たちの海軍が狭い地域に押し込められている限り、外交的アドバンテージにはなり得ないことを悟ったのでしょう。自由自在に中国海軍が動け、どこからでもアメリカを攻撃できるという形が取れて、初めて中国の考える対等の外交交渉が出来ると認識したのだと思います。

そうすると是が非でもこの狭い海域を打破しないといけないわけです。そこで出てくる概念が第1列島線と第2列島線。(WIKIPEDIAでの解説はこちら

Geographic_boundaries_of_the_first_

第1列島線内部の制海権を握ることによって、台湾問題に対するアメリカの干渉を防ぐことが出来る。

第2列島線を突破することによって、広い太平洋で自由に艦隊を展開できることとなり、アメリカと対等に対峙できるようになる。

こういったことを考えているのではないでしょうか?その第一歩である第1列島線を確保するためにも尖閣諸島は重要なのでしょう。また南部に艦隊を展開するにはやはり南沙諸島が問題になり、ここもまた領土問題となっている。つまり中国がこういった領土問題を起こしているのは、悪の帝国とかお金儲けとかでは無く、彼らなりの防衛思想としか言いようが無いと思うのです。

で、中国は防衛問題として考えて居るのだからいいのでは?とはとてもなりません。では、日本はどのように国土と国民生活を防衛していくのか、アメリカは?という問題につながっていくからです。

日本としては今は特にエネルギーは原油・天然ガス頼りになっているので、シーレーンの防衛がとても大事になってきています。しかし他方、中国が日本との間に懸案が出来た時、このシーレーンを閉ざしたらどうなるか?エネルギーが日本国内に入ってこないとなると、レアアースの時どころの騒ぎでは無くなります。日本としては、今の状況を維持し、中国が今以上の行動が出来ないような体制を維持していくことこそが国益につながるわけです。原発問題もここに絡みます。原子力の暴走は確かにいろいろな問題を引き起こしますが、すくなくとも今日本国内に存在する燃料棒で、日本のエネルギー需要をある程度満たすことが出来ます。特にエネルギーに対して非資源国である日本は、いかにエネルギーを自給体制にするか、シーレーンを確保するかは、国民生活を守る上での死活問題となっているわけです。

そう考えた時、代替エネルギーの目処の無いまま脱原発を唱え、尖閣問題で譲歩し、沖縄での米軍基地の感情を悪化させると言うことは、どれだけ国益を損ね、国民生活を危機に誘うかがわかると思うのです。あれだけ沖縄における基地感情を悪化させているのを見ると、これまたどこからかの意図が反映されているのではと勘ぐりたくなります。江戸時代まで琉球は清にも朝貢していましたから、沖縄(と言わず琉球と言うでしょう)は歴史上中国の版図だと言い出し、分離独立を画策していると思うのもあながち思い過ごしでは無いと思います。実際に中国内でそういった主張もあります。もう一度上の地図をご覧下さい。沖縄諸島が全て中国の勢力圏となれば、一気に第1列島線も第2列島線も突破でき、中国なりに考える防衛ラインの構築が完了できるのです。

きっと、こういったことを考えて政治に取り組んでいらっしゃる方も多数いるのだと思います。しかし、こういった解説をしてくれる報道を殆ど見たことがなく、面倒なことを避け全くスルーするか、変に感情的な部分だけ煽る(固有の領土を相手が猫ばばしようとしているみたいな)報道ばかりに感じます。これでは、それこそ世論をミスリードしてしまうと思うのです。軍事学はただ戦争狂の趣味というわけではありません。純然たる国際政治学の一部門です。日本は余りにもこの分野を軽んじているような気がしてなりません。

野球でも将棋でもオセロでもそうですが、いかに自分の選択肢をたくさん持って、相手の選択肢を狭めるかで、勝負の行方を優位に進めることが出来るのです。前回の尖閣諸島問題の時、レアアースを中国は止めました。レアアースがないと日本の先端産業が色々と動かなくなり、日本は困ります。どうしようもなくなって中国に泣きを入れ、中国は自分の主張するところの尖閣諸島は中国領土ということを日本が認めるようになればレアアースは出してやってもいいよと言っていたようなものです。前述しましたが、エネルギーはレアアースの比ではありません。国民生活全般に関わります。相手に弱みを握られたら、大変な事になりかねません。だからこそ軍事的側面も考慮しながら、慎重に日米で防衛体制を検討していかなければならないのです。

尖閣問題、ただのナショナリスト(国粋主義者)の話にするのではなく、ストラテジスト(戦略家)としての話しにしてもらいたいものです。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

まさか、個人が所有していて、国がお金を払っていたては。しかも、その所有者が…世の中狭いですな( ̄ロ ̄;)

日本の報道ではそれほど注目されてはいませんが「サルコジ危うし!」を現実のものにするかも知れないルペン候補の得票率に危機感を覚えています。パリにいる次男が五年前の大統領選挙時に「極右の候補が人気を集める現実は怖い」と言っていた意味が今になってようやく理解できました。鈍感な父親を当時奴はさぞや嘆いていたかも?ご指摘を熟読するうちにそんなことを思いました。木曜にはいよいよ小沢判決が出ます。目が離せませんね、複眼が要求される政治状況。ともあれ、管理人さんの着眼点には今さらながら感服です。

黄色と黒は勇気のしるし♪さん

コメントありがとうございます。

所有者の方って確か埼玉の方ですよね。どんな経緯があってそうなったのか、それはそれでとても興味がそそられます

kktfさん

コメントありがとうございます。

極右という言葉に踊らされてもいけないと思いますが、やはりリペン親子の躍進振りというのは気になります。寛容の世界から非寛容の世界と段々舵が切られているような気がしてしまいますね。まあ言ってみれば小澤民主党が掲げた「生活が一番大事」というところから来ているのでしょうが、それが他者を排除する論理になってしまっては、いろいろと衝突が起こってしまうことでしょう。

この記事を書いた後ですが、中国の艦隊が大隅海峡を通過しました。

中国艦艇、9年ぶり大隅海峡通過(YOMIURI ONLINE)

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120430-OYT1T00697.htm?from=main5

やはり中国は第一、第二列島線の突破を現実的に目論んでいるように自分としては見えますね。

本日勉強会で米保守系シンクタンクの研究員によれば、
「日本の満州からの撤退を求めず重石にすればよかった。
北朝鮮は中国にとって重石だ。北朝鮮の暴発を阻止できるのは中国と思わせれば
米は何もできない。
電力では蓄電が課題だが電気自動車の蓄電で家庭の電力を賄う研究も進歩しているが
生産に欠かせない希少金属が中国に握られている」

文武両道さん

コメントありがとうございます。

アメリカに敵対し、太平洋のどこにでも艦隊を展開できる国の満州支配は、アメリカにとって容認できないでしょう。かつての日本はまさにその状態でした。今後の中国がどうなってくるかによって、米国の考え方も変わってくるのだと思います。

日本にとっては、より深刻です。エネルギーの供給に中国が密接に関わってきているからです。海外、特にアフリカ諸国における買い付け競争の激化、LNGのジャパンプレミアム問題、石油の輸送ルート、そしてご指摘のレアアース(蓄電の意味で)、どれも日本国内の国民生活・生産活動の根本に関わってきます。太平洋戦争時に死命を決せられたのは、フィリピン陥落による南方からの石油の途絶でした。

東日本大震災は原発の怖さを教えたのでは無く、正しくリスクを把握しないで、適切に対応しないことの怖さを教えてくれたのだと思います、現状の日本のエネルギーの調達状況の危うさ、これに思いを致さないで徒に情緒論に走っている今の現状は、原発の安全神話と何ら変わらない危うさを感じています。

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