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マスコミが「本質」を報道しないのはなぜか

のっけからですが、題名をそのまま拝借してしまいました。

日経BPネットに掲載されていた今回の田原総一朗さんのコラム、とても同感できる内容でした。

マスコミが「本質」を報道しないのはなぜか

年が改まってから、いくつかの月刊誌や週刊誌の編集長に話を聞いたが、今、月刊誌も週刊誌も企画に困っているようだ。その理由は、「打つべき対象」がぼやけてしまっているからである。

続きはこちら

このコラムの肝はこの章だと思います。

政府もマスコミも国民が怖くて言えない

 ところが、マスコミは社会保障とは一体何か、これからの社会保障はどうあるべきかについて具体的に報道することはない。

 これまでも繰り返し述べてきたが、日本の国家予算は税収と歳出のバランスが大きく崩れている。2011年度を見ると、税収41兆円に対して、歳出は92兆円である。普通の企業なら大赤字で倒産だ。しかも税収を超える44兆円もの国債を発行し、つまり借金をして、そのツケを将来世代へ先送りしている。

 今やるべきことは税収を増やし、歳出を減らすことである。税収を安定的に増やすには消費税増税しかない。歳出を減らすには、社会保障を削減しなければならない。具体的には福祉・医療、教育、地方交付金の削減である。

 ところが、医療負担費を引き上げる、年金の支払いを遅らせるなどと言えば、国民からは総スカンを喰う。だから、それには触れられないのである。

 マスコミは「政府は、社会保障と税の一体改革と言いながら、社会保障には触れない。けしからん」と言うが、実はマスコミ自身も読者や視聴者の反応が怖くて言えないのである。

全く以てそうだと思いますが、ただ「怖い」というのは言葉通りに受け取れません。この「怖い」にはその前にト書きが付くと思うからです。そしてそのト書きは田原総一朗さんですら思っている。

それは「まともなことを言うと、読者・視聴者・国民への負担を言わざるを得ず、どうせそんなことを言えば反発されるだろうから」(怖い)というものだと思うのです。つまりバカにされているんですね、読者・視聴者・国民が。

原発事故直後のSPEEDIにしてもそう。まともな情報を流したらパニックを起こすだろうか、それが怖くて隠した。といったところが本質ではないでしょうか。別に陰謀とかそんな大それたものではなく。

つまりこの残念な政治・マスコミの現状は、我々国民が大所高所から判断できないと思われていることから、本質的な討論がなされず、お互い人気取りばかりしているからだと思うのです。そうやって人気を取らないと当選できない、売れない、視聴率が取れないと思われているから。そして実際、我々も単純に無責任な立場から、「増税はいやだ」「年金をたくさん受け取れないなんてとんでもない」「行政サービスが悪い」「苦しい業界への補助が足りない」ばかり言ってはいないかと。

しつこいようですが、これは我々一人一人が質を高め、本当の意味での主権者として成り立たねばこの現状は打破できないのです。主権在民は太平洋戦争後にようやく成立し、明治憲法下では主権は国民に無かったと鵜呑みにしていませんか?そんな明治憲法すらなかった時代に福澤諭吉先生は学問のすすめの中で「政府は国民の名代」とまで言っています。それくらいの心意気は持とうと思えばいくらでも持てるはずなのです。

マスコミが本質を語らないと、政治家が本質を語らないと立ちゆかなくなると思わせるくらいになれば、きっと世の中も変わるんだろうと思います。ただ本当は彼らはただ臆病にも怖がっているだけで、本当は言ってみれば案外聞くかもしれませんよ、小泉さんが「痛みに耐えて改革」と言ったときも国民は支持していたんですから。

今回の野田総理の税と社会保障の一体改革の決意と行動、賛成か反対かはともかく筋は通っていると思います。この一国の総理に決意に対してしっかりとした対応が出来ないマスコミ、政治家であれば、そもそも何かずれているのだろうとしか思えないですし、われわれもよくよく考えて賛否の表明をしないといけないですね。

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コメント

「責任政党として」
この言葉は民主党に攻撃された自民党、自民党に攻撃された民主党が使っている。
そしてマスコミは社説では野田総理の決意を評価しながら、個別記事では
野田総理の足をひっぱる報道のみ。
弱者報道が際立つ。
たとえばシングルマザーを財務大臣の前に登場させて「消費税より子育て支援を」
と訴えさせる。フジの報道番組として定評のある番組でさえ・・・
自民の石原、民主の小沢の権力奪取のためのなるふり構わぬ政治手法にはうんざりする。
そもそも真夜中に財務省とタッグを組んで消費税をアップさせる細川会見をさせたのは小沢では
ないか?

個人的には消費税アップは住宅をお客さんに売る立場の管理人さんも困るでしょうが、
ここは大所高所の立場からのご発言と思います。

文武両道さん

コメントありがとうございます。

このような政治情勢、マスコミ報道に辟易している人の数は少なくないと思います。なのに、なぜこの状況が変わらないどころか悪化しているのか?
自分が思うに、やはり小選挙区制と強すぎる参議院は制度上大きな問題を孕んでいるとしか思えません。この2つは1990年代に成立した比較的新しい制度です。憲法のように改正に大きなハードルがあるものでもありません。まずはこれをどうにかすることが一番のような気がします。

小沢さんは報道によると「6月までに衆院選があってもいいように緊張感を持って頑張れ。浮動票対策をしっかりやるべきだ」と指示したとか。被災地の復興でも、国の財政問題・経済問題でもなく、選挙に勝つことが政治家としてともかく一番大事だと見定めているんですね。そうであれば、国民にとって耳当たりの良くないと自分たちが思うことは当然に言えないですね。

自民党、石原さんは権力奪取まで見定めているならまだしも、ただ単に「自分が考える野党の幹事長」を演じているように見えてなりません。彼には「ところであなたは何がしたいんだ?」と聞きたいです。

野田さんの演説で福田さん、麻生さんの演説を引用したことがいろいろと言われています。自分はもし引用するならば、野田さんはこの言葉を付け加えるべきだったと思います。党内からの反発も大きいでしょうが。「あの時はやもすれば確かに政局を優先し、課題の解決に向かっていなかった面もあったと思います。それは率直に反省します。その結果が今の政治情勢ですから。その上で、今改めてお願いしたい。この国の未来のため、是非議論に参加して下さいと。大いに論じあい、次の世代により良い日本を渡しましょうと。」

翻ってもし谷垣総裁の立場なら、今度の代表質問でこのように聞きたいですね。
「先般、野田総理は施政方針演説の中で福田元総理と麻生元総理の施政方針演説を引用されていました。正に今民主党政権はあの時の我が党と同じ、政策を論じ合いたくてもそれが出来ない状況だと思っていることを痛感している証左です。過ちを正すに憚ること勿れ。まずは当時の政局優先で、問題解決に向けて真剣に我が党を始め当時の連立与党と話し合いの場に応じなかった姿勢を、民主党として謝罪して頂きたい。その上で、真摯に話し合いを求めるのであれば、この国の未来のため我が党も積極的に議論に参加し、その上で現政権より現実的かつ持続可能な案を提示出来るよう努力して参ります。総理にその覚悟はおありでしょうか?」

今日の朝日の夕刊、輸入大国が火力発電のためのエネルギー輸入であることを伝えながら、
一方脱原発の国民投票を後押ししている。

責任あるジャーナリズムなら脱原発とエネルギー輸入のバランスをどうとるか具体論を
説得力をもって提示してほしい。

民主党の代表として「国家国民のため一緒に考えてほしい。成立の後は政権を移譲する」
とまで言ってほしい。やはり反省の言葉がないのは、麻生さんも福田さんも納得できない。

文武両道さん

すぐのコメント、ありがとうございます。

次の田原総一朗さんの記事もまたその件について述べられていました。

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20120118/296616/?ST=rebuild

いい加減に情緒に流される報道ばかりで粗探しでは無い検証報道と、分析記事を増やしてほしいですね。

田原さんの以下の言葉、
(西部さんも田原さんももはやデビュー時代のア(ジテイターではありません。)

条文を読まずに「安保反対!」と叫んでいた

 何の検証も議論も行われずに脱原発に突き進むのは、ある意味では恐い。私には、それは60年安保闘争と似ているように思える。
 60年安保闘争は、岸信介内閣が日米安全保障条約の改定に取り組んだときに始まった。私は当時、毎日デモに参加し、「安保反対! 岸首相は退陣せよ」と叫んでいた。

 安全保障条約は、吉田茂内閣が取り決め、岸内閣がその条約を改正し、その内容は日本にとって改善されていた。だが、私は吉田安保も改定された岸安保も条文を読んだことがなく、ただ当時のファッションで安保反対を唱えていただけだった。「岸信介はA級戦犯容疑者であるから、きっと日本をまた戦争に巻き込むための安保改定に違いない」と思っていたのである。
 当時、東大の安保闘争のリーダーは西部邁氏であった。私は西部さんに「吉田安保と岸安保はどこが違うのか。それぞれを読んだか」と聞いてみた。西部さんは「読むわけないだろう。岸がやることはろくなものではない。日本を戦争に導くだけだ」と言っていた。
 60年安保闘争に参加していた者はほとんど安保条約の中身など読んだこともなく、ただ反対していただけなのである。科学的・技術的な議論が行われない脱原発の動きは、この安保闘争とよく似ていると感じる。

文武両道さまのコメントに対する返信、流石ですね。なんとか谷垣総裁に伝わらないものか・・・。伝わらなかったようですね。
昨夏信州大学で池上彰が行った近現代史講義を正月に放映していましたが、管理人さんはご覧になったでしょうか?今やマスコミの寵児のように扱われていますが、この時代を生きる彼の覚悟のようなものを感じる映像でした。実は私、画面に向かって「頑張れ、池上!」と思わず叫んでしまいました。

官僚→国連→国立大教授→民間企業顧問
官民で修羅場経験の塾生から

「プラザ合意を迂闊にも無条件に飲んだその時から、判っていた事です。
大失敗した中曽根首相に勲章を出しその息子を七光りで外務大臣にさせた
foolishな日本の国民が 世界の物笑いになるのも当然です。


 逆な言い方をすれば、詐欺師がその被害者が無一文になったのを見て
馬鹿な奴と批判している様なのもです。その詐欺師もその先が読めずに
いたため、日本の技術が中国に吸収され、その中国の輸出力の為世界中の
経済がおかしくなる事までは考えなかったようです。日本と異なり
資源も軍事力も人口も土地もある国で、しかも日本政府と異なり先も読め、
総合判断も出来、しかも、悪い事も自国の利益とあれば平然と出来る
中国政府は、日本の大失敗の轍を踏む筈もありません。


 オバマ大統領の演説をきいても、TPPで米国は自己産業を再生しTPP
同意国への輸出は急増すると豪語していました。foolishで御人善しな日本人
の骨の髄迄とは、言ってませんでしたが、釣り糸のエサに食いつくのを
今や遅しと待っている所にいま、泥鰌の当たりがあった状態でしょうね。」


 自動車、TVではもう食べて行けないでしょう。科学は失敗の上に築かれて
行く物です。今原子炉を止めるより、東京のド真中に日本の知恵を集めた
安全な原子炉を堂々と造って見せる好機です。そして輸出品目の一つに
加えるべきです。          

いつもながら文芸春秋の塩野さんのコラムは面白い。イタリアが政治家が市場の軍門に下ったら、果てしない増税路線で結局社会の活力を奪い経済はますます疲弊していく。確かに消費税引き上げはやむをえないと野田さんを支持する気持と際限なきマーケット(市場)の要求にこたえるのが賢明なのか、経済学に素人と自ら称する塩野さんの意見は耳に痛い。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120131-00000987-yom-pol
防衛大臣は素人でいいのか?
長島大臣待望!
大学で国際情勢を講義していたとき話したことがある。
小沢のご機嫌をとる2代続けての失敗人事。
これは野田さん支持でも譲れない。

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