平成22年夏 慶應義塾対西湘高 写真等
この試合、塾高の電光石火の先制攻撃から幕を開けます。
まず先頭の旭君が初球を叩き、ライト前ヒットで出塁します。
ここで続く竹内君に順当に送らせると見せ、旭君がすかさず盗塁!
そして竹内君がしっかりと送り、得点を狙う上で必須の1死3塁となります。
この大会で好調を持続している3番藤本君が、この好機にみごと左中間を抜ける三塁打を放ち、早々に先制点を上げます。
ここでしっかりと3塁を陥れたことが、次につながります。4番の谷田君がしっかりと外野フライを打ち、2点目が入ります。
初回に2点を先制したことで、守備もぐっとリズムが良くなります。ちょうど川和高との初回を見ていないせいか、守備がとてもしっかりしている印象があります。
先発の明君も故障が癒え、また頼りになるバックや他の投手がいるせいか、伸び伸びと投げていました。
つづく得点機は4回に訪れます。1死後、明君が四球で歩き、山本君が送った後、再度明君が四球で歩き、2死12塁。ここで竹内君の放った打球はフラフラと上がって、3塁線の絶妙なところに落ちます。2死と言うこともあって、2者がホームイン!4-0とリードを広げます。
もっとも竹内君は3塁で憤死。次が好調な藤本君だったことと、打球は3塁線だったことを考えれば、2塁で止めて更なる追加点を狙った方が良かったかも知れません。周りの状況、次の状況を冷静に判断することが必要でしょう。塾野球部でもそうですが、3塁コーチって本当に難しいものですね。
ちなみに3塁コーチの岩澤君と1塁コーチの瀬川君の積極的に声を掛け合う姿勢、大ぶりなゼスチャーで周りに意思の徹底を図っている姿勢は、見ていて大変気持ちいいですし、グランドの選手たちに好影響を与えているように感じます。岩澤君の昨日の試合で見せてくれた姿のご紹介です。
この一生懸命さ、熱さは、チームの大きな武器でしょうね。
さて、6回から佐藤優君が登板。前回の川和高との試合でも肩を作っていましたから、まさにフル回転での登板ですね。
先頭打者をいきなり出してしまいますが、牽制でうまく刺し、リズムを作ります。
このチームの二遊間は守備が本当に安定していて、いわゆるセンターラインがしっかりしているから見ていて安心出来ます。ショートの山本君の華麗な守備。
これはボールを落としてしまったものの、冷静にその後を処理し、アウトにしたプレーです。こういう2次災害を出さない安定感は素晴らしいですよね。
さて、8回裏にもチャンスが来ます。先頭の杉山君がレフト線2塁打を放ちます。
つづく佐藤優君が2塁ゴロでランナーを進め、1死3塁とまたもや得点奪取の基本形を作ります。
ここで初球スクイズを敢行!バントが上手い山本君ということもあったのでしょう。しかし、これが相手バッテリーに読まれ外されてしまいました。
山本君も懸命に体を放り出して当てにいったのですが、空振り。結局アウトとなってしまいました。そういえば川和高戦でも感じていたのですが、塾高相手にランナーがいる際、やたら初球ウェストをかけてくる印象があります。もしかしたら、塾高の仕掛けるカウントの傾向が出ているのかもしれませんね。であれば、スコアブックを元に敢えてその逆をついてみたりするのも面白いのかも知れません。
あとこの試合の谷田君ですが、第二打席場外にまで飛んでいきそうなくらいの打球をライト側に打っていました。
ちょっと腰が開いてきました。内角球を意識しすぎているのかも知れません。いろいろと考えもあるでしょうが、無理に打とうとせず、カットで逃げるという手もありますよね。
第3打席では、見えない位の速さの打球でライト前ヒットを放ちます。
このユニフォームのねじれ具合を見て下さい!すごく大きな捻りの力が加わっていることがよくわかると思います。こりゃあ、打球の行方もなかなか追えない訳ですね。こんなスイングなかなか高校生で出来る者ではありません。そりゃあ1年生から4番もまかせれますね。(このスイングが凄すぎたせいかユニフォームのシャツの裾が出てしまい、塁上で塁審さんに注意されていました)
後はこの打球の方向をライトではなく、ピッチャー返し、センター方向に強く打つことが出来れば、高校生レベルで彼を抑える事は難しいでしょう。例え一二三君であってもです。なので、内角の厳しい球はもともと打とうとするのではなくカットで逃げ、センター返しを意識して今まで通りの強いスイングをすれば、きっと大爆発してくれるのではないでしょうか。
まあ、そんなこともありながら、安定感溢れる投手陣がこの試合も無得点に抑えてくれ、最後の打球はファーストの谷田君の前にゴロとなります。
丁寧に処理し、ゲームセット!4-0で塾高が勝利を収めました。
塾高野球部の試合運びはこの4試合、実に安定していましたね。本文にも書きましたが、センターラインと投手がしっかりとしていることが大きいです。また、攻撃陣も旭君から始まる打線のつながりが良く、効率的に得点している印象です。ただこの書き方にはもう一つの意味があって、旭君から始まらない時、なかなか打線が繋がってこない。もう少し言えば、竹内君に2アウトで回ってしまうことが結構あるということです。彼はあれだけバントが出来、且つヒッティングも出来るため、無死か一死で回ってくると相手も守備位置で迷いが生じてきます。そのため多彩な攻めが出来るので、2死で竹内君というのはちょっと勿体ないなあとは、前の試合から思っていました。明日の試合は、是非無死か一死で竹内君に回して上げて下さいね。
あと、野球部以上に凄い勢いで成長しているように感じるのが塾高応援指導部の皆さん。正直最初の試合を見た時は、誘導から始まり、試合の締め方までなんだか頼りなく、大丈夫かな~と思ったりもしたのですが、1週間後の昨日の試合では余りにも見違えた姿にビックリしました。リードもしっかりしていますし、何より部の名前である「応援指導」をしっかりとやっていて、彼ら自身の気魄もあり、1週間前の姿がウソのようです。グランド、スタンドが一体となってこのまま勝ち進んで行きたいものですね!
最後はいつもながらの上田監督のお姿です。これまたいつもながら、今日の勝利を喜ぶと言うよりは、既に次の試合をどうすればいいか考えていらっしゃる表情をされているように見えます。本当に考えることがたくさん、たくさんあるのでしょうね。どこかで頭を適度にリラックスさせ(笑うのが一番かもしれません)、明日の試合、是非ともお願いします。
明日は強敵東海大相模ですが、各人がやるべきことをしっかりとやり、このチームの良さである明るさをもって、何としても勝利を掴みましょう。頑張れ!塾高野球部。
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コメント
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そうですか、ユニフォームの裾が出ていたことまでは気付きませんでした。
ライトのファウルは、場外の森の中に消えていったように見えました。
應援指導部も吹奏楽部もバトン部も我々も、暑いですが、応援頑張りましょう!!
投稿: フレフレ少女 | 2010年7月25日 (日曜日) 19:11
夏の大会が始まる前に、あのお店のあの方と色々とお酒を交えてお話をさせていただきました。明後日、そのお店に行く予定です。いつもですと『乾杯』といくのですが、『完勝』と行きたいです。(行く度にハイボールを30杯相当飲んでいますが(汗))
でも、そんなあの方のおかげで来月嬉しいイベントにご招待を受けました。あの偉大なる投手と。。。(嬉)
週間ベースボールマガジンが3000号を迎えました。1958年創刊とか。いつまでも、この世に野球がありますように
そんな記念号の中の予告。1・来週号は高校野球特集号
2・7月26日 夏の甲子園総決算号クロニクル〔1973-2009〕発売 3・8月2日高校野球 熱闘の世紀★ザ ベスト
以上お知らせでした
投稿: 黄色と黒は勇気のしるし♪ | 2010年7月25日 (日曜日) 23:22
昨日はテレビで早稲田対決観戦。
双方からコンバットマーチや「紺碧の空」が聞こえてくる不思議な光景でしたが、学院の方はほぼ毎回、回の頭は腕を振って「都の西北」でした。
チアもリーダーもいないので、応援のパターンのヴァリエーションがあまりないんでしょうか。
ちなみに、早実の方は、甲子園でもお馴染みの応援スタイルでしたが(チアも入ってかなり大学の応援と似てきた感じがしました)、応援部のリーダーたちは、詰め襟ではなく、メッシュのトレーナーをワイシャツの上に着ていました。
管理人様も心配なさっていましたが、塾高のリーダーも詰め襟は止めて、メッシュの三色セーター(トレーナー?)を採用してはどうでしょうかねぇ。
塾高だって今の時期は夏服なんですから、詰め襟なんか着なくてもいいと思うのですが…。
応援している方が熱中症で倒れてしまっては、シャレになりませんから。
投稿: あごら | 2010年7月26日 (月曜日) 02:05
昨日は上のように書きましたが、本日の中継では、リーダーはしっかり詰め襟でしたね…
それにしても、早実は甲子園かぁ。
ちょっぴり羨ましいですね。
投稿: あごら | 2010年7月26日 (月曜日) 21:29
フレフレ少女さん
コメントありがとうございます。
塁審の方が一旦試合を止めて谷田君に何かを言っているので何だろうと思って見たら裾が出ていて、実際にベルトを緩めて直していたので、そういうことかと思いました。スイング中のユニフォーム、すごいことになっていますよね
選手も応援されている方々も、とても頑張っていらっしゃいましたが、だからと言って必ず勝つわけでもないところがスポーツの難しさ。でもだからこそ、これだけ多くの人を魅了するのでしょうね。
投稿: 管理人 | 2010年7月28日 (水曜日) 13:46
黄色と黒は勇気のしるし♪さん
コメントありがとうございます。
さて、何だかとても楽しそうな会にお誘いを受けられられたようで、本当に良かったですね!同好の士と話に花を咲かせるのは、大げさに言えば、人生の醍醐味のような気もします。
おっしゃるように野球が永遠に続くとは限らず、実際にあれだけ戦前に人気を誇った東京六大学、中等野球も中止に追い込まれているわけですし、こういった今の世の中を守っていこうとする努力が必要ですよね。
投稿: 管理人 | 2010年7月28日 (水曜日) 13:54
あごらさん
コメントありがとうございます。
早大学院の方は「こっちが本家」というノボリを何本も立て、更に「チアガールはいらない」なんてものもあったとか。なかなか微笑ましいお話です。
それにしてもあごらさんの懸念は当たってしまっていました。熱中症は本当に危険で、脅しで無く命の危機にもつながりかねないものです。確かに気合いも大事ですが、どうせ気合いを見せるのなら、通気性を確保した上で魂の大声で見せた方がお互いにいいですよね。まあ伝統もあり、なかなかそうならないでしょうが。
それにしても、やっぱり早実さん羨ましい。
投稿: 管理人 | 2010年7月28日 (水曜日) 13:58
> 早大学院の方は「こっちが本家」というノボリを何本も立て、
…やっぱりそうでしたか。
最初は「おおっ!都の西北だぁ」なんて思っていたのですが、毎回のように繰り返されると、「これってもしかして示威行動???」といささか引いてしまってたもので…
実は、同僚に早稲田大学出身の強烈な早稲田LOVEの人がおりまして(彼が学院出身かどうかは知りませんが)、ハンカチ王子の甲子園の時、ちょっと話を振ってみたら、ものすごい剣幕で、「早実なんて早稲田じゃない!勝手に応援歌を使ってるだけ。やめてほしい」というような反応が返ってきて吃驚したことがあります。
勿論、みんながみんな、そのように考えているとは思いませんが、別法人の係属というのは、意外と微妙な立場なのかも知れませんね。
> まあ伝統もあり、なかなかそうならないでしょうが。
大学の応援指導部では、三色セーターも昭和25年から使われてきたのですから、こちらも塾の応援指導部のスタイルとして立派な伝統といえると思うんです。
本当に、大きな事故が起こってからでは取り返しがつかない問題なのですから、関係者には是非考えていただきたいですよね。
投稿: あごら | 2010年7月28日 (水曜日) 15:34
あごらさん
コメントありがとうございます。
確かに早稲田LOVEの方々で早実を傍流扱いする方って結構いらっしゃいますよね。ただ最近を見ていると、確か早稲田大学の前の総長の方が、慶應にあって我々早稲田に無い物は、背骨をしっかりと支える小中高だといった趣旨のことをおっしゃっていて、その文脈上で早実の拡大路線があったと認識しております。なので、少なくとも今の早実を傍流扱いしてはいけないのでしょうね。
学生服の件、正に同感です。変えづらい伝統かもしれませんが、変えてしまえば何ともないかもしれませんよね。上田監督も認める最近の異常な暑さですから、ここは是非英断を願いたいところですね。
投稿: 管理人 | 2010年8月 2日 (月曜日) 14:02